COLUMN
太陽光発電コラム

2019/08/25

太陽光発電における「低圧」と「高圧」は大きな違いが存在!それぞれを解説

このコラムでは、企業で太陽光発電設備を導入する際に、出力や扱う電圧によって考慮しておくべきことを解説していきます。太陽光発電設備は発電出力の規模によって、義務づけられている管理体制が段階的に変わります。このコラムを読んでいただければ、太陽光発電設備の分類である「高圧」や「低圧」の違いをご理解いただけます。わかりやすい説明に徹していますので、ぜひ最後までお読みください。

 

 

太陽光発電の「低圧」と「高圧」の違いは設備容量50kW未満か以上か

太陽光発電設備を「高圧」「低圧」という言葉で分類する場合があります。
ここでは、高圧、低圧という分類の違いを分かりやすく説明していきましょう。

 

基本的には設備容量50kW未満が「低圧」
それ以上が「高圧」という分類で覚えておけば間違いありません。なお、高圧の中でも2000kW以上は「特別高圧」とされ、扱いが違います。

 

なお、2017年度に施工された改正FIT法(FITとは発電した電気を電力会社が固定価格で買い取る制度)では、「10kW未満(住宅用)」「10kW以上500kW未満(産業用)」「500kW以上2000kW未満(産業用・入札制<FIT外>)」に分けられています。こちらに関しても後述します。

 

太陽光発電の「低圧」と「高圧」の違い

太陽光発電設備の低圧、高圧の名称については前項で解説しましたが、ここでは管理方法の違いなどをわかりやすく明確にしていきます。

設備容量50kW以上の「高圧」

設備容量が50kW以上のいわゆる高圧の太陽光発電設備は、電気事業法の上では発電所(自家用電気工作物)という位置づけになっています。電圧的には6600Vなど、非常に高い電圧を扱いますから、経済産業省が定める技術基準を守り、維持管理を安全に行う義務が課せられています。

 

他にもキュービクルと呼ばれる変圧器を設置することが義務付けられていますし、電気主任技術者の有資格者を選任し、届け出る必要もあります。さらに、保安規定を届け出ることも必須条件となっています。

 

発電容量2000kW以上の「特別高圧」

発電容量が2000kW以上ある特別高圧の太陽光発電設備の場合、点検を外部委託することができなくなり、電気主任技術者が常駐することが定められています。また、高圧の設備と同様に保安規定の届け出も義務付けられます。

 

さらに、この場合は一つの設備に対して電気主任技術者が一人必要となりますので、企業としてはランニングコストの中にその人件費や保守契約費用などを組み込むことを考えなければなりません

発電容量50kW以下の「低圧」

50kW以下の低圧の太陽光発電設備の場合は、電気事業法では小規模発電所(一般用電気工作物)と定義されます。基本的には家庭用を前提としたものなので、100Vまたは200V程度の電圧を扱い、電気主任技術者の選任や、保安規定を届け出ることも必要とはされていません

 

「低圧」と「高圧」に関する注意点

ここでは高圧、低圧の太陽光発電設備を導入する際の、それぞれの注意点を記述します。

 

低圧分割は禁止

ここまでの説明を見ると、高圧に分類されてしまうと管理コストが上がることから、低圧の設備を複数設置して手間やコストを低減しようと考える企業も存在するかもしれません。例えば45kWの設備を3基設置して、実質的に出力は135kWの太陽光発電設備を低圧として使用するという考え方です。この方法は「低圧分割」と呼ばれており、太陽光発電設備普及の初期には実施されたこともありました。

 

しかし、2014年の4月からこのような行為は、禁止されるようになりました。具体的には、同じ申請者から同じ時期に、同一の敷地内や近接した場所での複数、また同種の太陽光発電設備の申請を禁止する、という内容です。これによって低圧分割は日本全国で明確に禁止されることになりました。

 

FITに関わる導入区分は「10kW未満(住宅用)」「10kW以上500kW未満(産業用)」「500kW以上2000kW未満(産業用・入札制<FIT外>)」の3つ

高圧の太陽光発電設備のメリットとして、単位出力あたりの設備投資費用が安くなる傾向があります。そのため広い土地があることや、初期費用を用意できることなどの条件があれば、スケールが大きな発電設備を設置することができます。しかし、高圧の設備にはその分コストや管理の手間が大きくなるというデメリットも存在しています。

 

一方、低圧の太陽光発電設備であれば、発生する初期費用や管理コストもかなり小さいので、比較的容易に太陽光発電設備を設置することが可能です。しかし、設備が小規模なため発電量も限られてしまい、企業としては大きな利益にはつなげにくいという問題もあります。

 

これらのことを踏まえると、検討の際は日照時間や発電効率のシミュレーションだけでなく、かかるコストを含めた損益のシミュレーションをしっかり行うことこそが重要と言えます。実際には導入企業だけでこの検討を適切に行うのはハードルが高いですから、しっかりと導入をサポートしてくれる設置業者を探すことをお勧めします。この場合太陽光発電設備の関連法案などを熟知しており、顧客の立場に立った助言を行う必要もありますから、単に設置技術が高いだけの現場作業を中心とする業者では難しいでしょう。

 

また、ここまでは設置する太陽光発電設備が高圧か低圧か、という区分で解説してきました。しかしFITに関しては、10kW未満の住宅用と、10kW以上500kW未満の産業用で買取価格が分かれており、さらに500kW以上2000kW未満は個体価格買取を行わない入札制度となっています。高圧、低圧とFITの買取価格の制度差は関係無いので注意しましょう。

 

太陽光発電における低圧・高圧まとめ

太陽光発電設備における高圧、低圧などの分類の内容と、そのメリット・デメリットなどについてまとめました。結果的に、太陽光発電設備の導入については、かかるコストや手間も踏まえた検討を行うことが重要であることをご理解いただけたと思います。

 

産業用の太陽光発電設備の導入で信頼できる業者をお探しの場合、ぜひ「ユニバーサルエコロジー株式会社」にご相談ください。

 

当社は太陽光発電を、1996年の創業からの20年余りで5000件以上も受注・設置してきた豊富な実績を持っています。当社にご相談いただければ、ご希望の規模に合わせた御社に向けてのシミュレーションを行い、かかる管理コストや法的な制限なども丁寧にガイドいたします。太陽光発電設備の導入検討は、ぜひユニバーサルエコロジーにお任せください。

 

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