自家消費型太陽光発電のデメリットと、その解決策について
自家消費型太陽光発電設備は、電気代を節減できる、災害時にも電源として利用できる、自然エネルギーを利用することで「社会に貢献する企業」として認知してもらえるなど、さまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。それを知らないまま導入すると、思っていたような利益貢献ができなかったり、後から設備保全に追われたり、という事態になってしまう可能性もあります。
そこでこの記事では、太陽光発電設備のデメリットとその解決策をご紹介します。後悔しない設備導入をするためにもぜひ知っておきましょう。
Contents
設置のための費用がかさむ
自家消費型太陽光発電設備の大きなデメリットは、設置費用の高さです。規模や設置場所によって金額は大きく変わりますが、1,000万円以上の初期投資が必要な場合もあります。そのため、「良いことは分かっているがなかなか手を出しにくい」と悩んでいる企業も多いようです。しかし、補助金やローンなどを利用すれば負担を減らすことも可能です。
例えば「中小企業経営強化税制」を利用するという手があります。この中小企業経営強化税制を活用することで、太陽光発電設備(自家消費+余剰売電を目的としたものに限る)導入の際に「即時償却」もしくは「税額控除」を受けられます。「即時償却」については、「自家消費型太陽光発電の償却年数は通常より短い?売電用との違いについて」を併せてご覧ください。
中小企業経営強化税制を受けるにあたり様々な条件がありますが、太陽光発電設備の設置及び申請は平成33年3月31日までと、まだ検討段階であっても間に合うため、チェックすることをおすすめします。
さらに、太陽光発電に関連する事業者向けの補助金をガイドする記事「事業所向け太陽光発電関連の補助金」もあるのでご利用ください。
その他、以下の記事でも補助金などを詳しく解説しているので、ぜひ参照してください。
「自家消費型太陽光発電を導入する際に利用できる補助金の制度」
解決策②:ソーラーローンを有効活用する
太陽光発電設備の導入には、「ソーラーローン」と呼ばれる通常より低金利のローンが利用できます。金利が低い理由としては、太陽光発電への投資はリスクが低いと金融機関が判断しているためです。また、ソーラーローンは審査が比較的厳しくない、というメリットもあります。
これについても詳しく書いた記事があるので、以下を参照してソーラーローンもご検討ください。
「自家消費型太陽光発電を導入するためのローンはアリ?」
発電量が天候によって違いが出る
太陽光発電の2つ目のデメリットは、天候によって違いが出てしまうことです。太陽光発電は日射量に大きく左右されるシステムです。天気は人為的にコントロールできるものではありませんし、予定なども分かりません。そのため、天候不順が続けば思うほど発電量が上がらない、という事もあり得ます。
解決策:事前に発電量をシミュレーションし、把握する
確かに天候は完全に先読みできるものではありませんが、平均的な日射量などを確認してシミュレーションを行えば、天候のリスクはかなり回避できます。
専用のシミュレーションソフトを使用して費用対効果が見合うかを事前にチェックしておけば、思ったよりも発電量がなく、損失となってしまったという事態は避けることができるでしょう。
例えば、北海道や東北などの寒い地域はなんとなく太陽光発電に向かないというイメージがあるかもしれませんが、実際には発電量を決める要因である日照量は十分にあるため、投資したコストに見合う発電量を得られるということがシミュレーションでわかります。
また、ソーラーパネルの性能も向上しているため、発電効率も考慮してシミュレーションするとよいでしょう。
以上のことから、太陽光発電設備の導入に当たっては、データを踏まえてしっかりとしたシミュレーションをしてくれる業者に依頼することがカギになると言っても良いでしょう。
自家消費型太陽光発電だけで電力を備蓄できるわけではない
太陽光発電の3つ目のデメリットは、自家消費型太陽光発電設備では備蓄できないという点です。太陽光発電設備を導入する際、発電した電気を蓄えておいて必要な時使える、というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、自家消費型太陽光発電設備だけでは蓄電はできません。
解決策:蓄電池を導入する
太陽光で発電した電気を溜めておくには「蓄電池」という設備が必要です。一定の費用は発生しますが、蓄電池があれば日照が無い夜間や、災害時などにも発電した電気を使用できるので、大きなメリットがあります。蓄電池については以下の記事で詳しく書かれているので参照してください。
「自家消費型太陽光発電を有意義に使用できるようになる「蓄電池」とは」
定期的なメンテナンスが必要
太陽光発電の4つ目のデメリットは、定期的なメンテナンスが必要になるという点です。太陽光発電設備は数十年にわたって使用することを前提とした設備であり、そもそも2017年に施行された改正FIT法にてメンテナンスが義務付けられています。
特にソーラーパネルは屋外の日当たりの良い場所に置くことが前提なので、除草の必要性や、汚れの除去なども必須事項です。なお、メンテナンスには専用の測定器、テスター、サーモカメラなどの機材が必要になります。
解決策:自家消費型太陽光発電でカバーできる電気代の一部をメンテナンス代として組み込んでおく
前述したように、太陽光発電設備を導入する以上、メンテナンスは義務となっています。そのため、導入時の計画に盛り込んでおかなければ、あとからその費用を捻出できない、ということが起こる可能性もあります。メンテナンスを妥協すると効率が落ちますし、故障などでシステムが使えない状態になる事もあります。こんな事態を防ぐためにも、導入の時点から自家消費型太陽光発電で得られる利益の一部を、メンテナンスにあてるように計画を組みましょう。
設置場所が非効率的、そもそも設置できるスペースがない場合がある
太陽光発電の5つ目のデメリットは、ある程度の設置場所が必要になるという点です。太陽光発電は、ソーラーパネルの面積によって発電量が左右されるので、ある程度のスペースが必要です。しかし企業によっては設置場所が確保できないというケースや、場所はあるけど効率的に思わしくない、という場合もあるでしょう。
解決策:事前に業者に相談と詳細な見積もりを出してもらう
この問題の解決策としては、導入前に業者としっかり話し、発電効率などを明確に話したうえで、詳細な見積もりをもらって、設備としてペイできるのかを検討する必要があります。
業者によっては「売りたい」という一心で、ユーザー企業にとって不利な条件をあいまいにしたまま契約を急がせる場合もあり得ます。過去実績などを必ず確認して、信頼性が高い業者に導入時の検討を依頼しましょう。
その他、よく挙げられる自家消費型太陽光発電のデメリット
他にも太陽光発電設備の導入にはいくつかのデメリットが存在します。例えば、ソーラーパネルの反射光で、周囲の企業や一般住宅から苦情が来るようになった、悪質あるいは技能が未熟な業者に引っかかった、パワーコンディショナーの設置場所が確保できない、などがその一例です。
解決策:評判の良い誠実な業者に綿密に相談することでほとんどがカバー可能
これらの問題は全て、しっかりとした技術力、実績と責任感がある業者に依頼することでカバーできます。
例えば反射光はシミュレーションで事前に予測できますから、事前に近所住民や企業への理解を得ることができます。また、パワーコンディショナーは設置場所によってケーブルの長さや周囲温度が変わり弊害が起きる場合がありますので、専門性が必要です。
自家消費型太陽光発電のデメリットまとめ
自家消費型太陽光発電設備にはこれまで書いてきたように、導入時のデメリットがいくつか存在します。しかし、その問題の多くは信頼できる業者に導入検討を依頼することで解決できます。
つまり、自家消費型太陽光発電設備の導入が成功するかどうかは、業者選びにかかっていると言っても過言ではありません。
「ユニバーサルエコロジー株式会社」は創業以来、太陽光発電を5000件以上も設置してきた実績を持っています。設備導入のご相談をいただければ、御社の電力使用状況や地域性を踏まえた上で、分かりやすいシミュレーションと、誠意あるお見積もりを作成いたします。
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