COLUMN
お役立ちコラム

2018/09/28

遊技台リサイクル業者の太陽光パネルのリユース・リサイクルの重要性と展望

リサイクルテックジャパン株式会社小林直樹様

リサイクルテックジャパン株式会社 執行役員 小林直樹様

貴社の始まりと事業内容は?

当社は遊技台のリサイクルを行っており、北は北海道から南は九州・沖縄まで全国から使用済遊技台を回収して適正にリサイクル処理をしています。過去に遊技台が山に野積みされるという不法投棄が発生し、それが社会問題化したのです。そこで遊技機メーカーで組織する日本遊技機工業組合(略称:日工組)が、我々のような処理業者を選定して、使用済遊技機を回収し適正な処理が推進されるシステムを作りました。その回収システムの中で当社は選定業者として指定を受けております。日工組の選定業者であることが信用補完となり全国から台を集めやすい環境になっているのです。

 

貴社の強みは?

遊技機メーカー様とのパイプの構築によって、リユースの仕事が多くなってきています。買い取った遊技台は解体、マテリアル別に分別、再利用できる部品については取り出しを行い、そして専用治具を用いて検品を行うことで付加価値を高めております。付加価値を高めることによって得た収益を買い取り価格に還元し、より台が収集しやすくなる。このようなよい循環が生まれていると思います。今は全国で約40%のシェアを持っており、髙いシェアから得られるスケールメリットがありますね。

 

 

太陽光パネルのリユースやリサイクルも行っており、太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査の発表後、お問い合わせも増えたと聞いています。

はい。昨年9月8日に総務省が太陽光パネルの廃棄処分に関する調査結果を発表され、その後お問い合わせが増えました。実態として現在太陽光パネルは埋め立てされているという現状があり、これから出てくる太陽光パネルが全て埋め立てに回ったら大変なことになります。これは日本全国の埋め立て量の6~8%ぐらいが太陽光パネルで占められることになるのです。太陽光発電は再生可能エネルギー、クリーンエネルギーとして普及したわけですが、では最後の出口はどうなのか、という話になります。今後はやはりリサイクルという流れに確実になってくるでしょうし、最終処分場も太陽光パネルの廃棄の受け入れを見合わせるところも出てきているようです。最近ではリサイクルに対する関心の高まりから見学にお越しいただく企業様も増えてきております。今年の7月3日には、環境省から「太陽光発電のリサイクル・適正処分等に関する検討チームの取りまとめについて」の記者会見が行われて早期に制度化していく必要があることを環境省も言及しています。

 

太陽光パネルの処理過程において、リユース・リサイクルどちらに回るのか分かれ道というのはどこになるのでしょうか?

基本的に発電所保有者や施工業者は、不要な太陽光パネルを処分する際に有価で引き取ってもらいたいと考えます。ですからまずは買い取ってもらえないかという依頼が来るわけです。基本的にはリユースで査定を行い、その中で絶縁検査やI-V出力・EL検査等を行います。そこで検査結果に応じてランク分けをしたあと、検査に合格したものを買い取りさせていただきます。検査で出た不適合品に関しては、リサイクルに回すことになりますので処理費用を頂くという流れになります。リユースの受け皿としてリサイクルは必ず必要になります。「これは買い取れません」で終わるのではなく、リサイクルとして受付けさせて頂くということになります。

 

 

貴社は太陽電池モジュールのリユース&リサイクルの専門企業にも出資していらっしゃいますね。

はい。当社はアールツーソリューション株式会社に出資をしておりまして、こちらでは太陽光パネルのリユース・リサイクルを一元的に取り扱うサービスを展開しております。現在この会社で全国ネットワークを構築しようとしており、この東海4県を担当エリアとして主に活動しております。太陽光パネルのリユース・リサイクルに関しては、アールツーソリューションのネットワークで対応、あるいは当社リサイクルテックジャパンで対応させていただくのか、一度ご相談いただければと思います。

 

今後は遊技台のリサイクルに加え、太陽光パネルのリサイクルの事業にも注力していくということでしょうか?

はい。すぐに採算は取れない状況ではありますが、太陽光パネルのリサイクルのノウハウは多種多様なメーカー・製品を受け入れた実績から着実に蓄積されています。そしてこれからそのノウハウや経験を活かしていく時が来ると感じております。

今はまだ埋め立てされるパネルもあるようですが、近い将来太陽光パネルに関するリサイクルが法制化される可能性があります。今からどこに廃棄したらいいのか、そして受け入れ先となるチャネルの開拓というのも併せて検討していく必要があるのではないでしょうか。

 

遊技台のリサイクル、太陽光パネルのリサイクル両事業の今後に展望をお伺いできますか?

外食産業のマーケット規模がおよそ3兆円と言われている中で、遊技業界のマーケットは依然として約20兆円と非常に大きなマーケットになります。ただ、遊技業界としては縮小傾向に向かっており、規制も強くなっているという状況の中で、徐々に量から質にシフトチェンジをうまくしていくということが求められます。現在はリサイクルのウェイトが大きいですが、今後はリユースに上手くシフトして、量から質へという形で今後の遊技業界に上手くアジャストしていくということが必要かと思います。また太陽光のリサイクルに関しては、それとは真逆で今後は一気に「量」が増えていくことが予想されますので、設備の増強や回収したパネルを一時的に保管するストックヤードを確保するなどの対応が必要となります。いずれダムが決壊するが如く溢れでてくる大量の太陽光のパネルに対応できる体制を整えていく必要があり、その課題を解決していくことが今後当社の一つのミッションとなります。