系統蓄電所とは?太陽光発電に代わる新しい土地活用
系統用蓄電池事業による土地活用
使わなくなった土地を持て余していませんか?
「使い道がない」「売却が難しい」「相続した土地の活用が分からない」
土地は、所有しているだけで、固定資産税・都市計画税・管理費用など様々なコストが発生します。
また、雑草の草刈り、害虫の駆除、不法投棄の管理など定期的な管理も必要です。 特に遊休地の場合、無管理で放置状態になりがちですが、近隣トラブルの予防や資産価値を守るためにも、土地の所有者として定期的な管理が必要になります。
しかし、管理にかける手間とコストがなかなか出せないという方が実は多いのです。
系統用蓄電所としての土地活用
蓄電所用地とは、系統用蓄電池を設置するための土地のことです。
系統用蓄電池とは、電力系統や再生可能エネルギー発電所などに直接接続されている蓄電池のことで、蓄電所と呼ばれることもあります。
系統用蓄電池は、発電量が天候に左右されやすい再エネの不安定性という問題を解決する装置として期待されており、さらに、市場取引を活用して長期的な収益を生み出すための投資としての側面があるため、注目されています。
太陽光発電所と違って、日当たりが関係しないため、太陽光発電を設置できなかった日陰など悪条件の土地にも設置できます。設置面積も、同容量の太陽光発電の数十分の一程度なので、土地の確保が比較的容易であることからも、土地活用(資産の運用)方法として 検討されるケースが増えてきています。
野立て太陽光発電所としての土地活用
荒れた農地・造成が必要な土地・管理に手間や費用がかかる土地・過疎地域のため購入需要がない土地など、一般的な不動産業者ではなかなか買い手が見つからない土地でも、日当たりさえよければ、野立て太陽光発電所として活用できることがあります。
しかし、手間のかからない土地活用として人気があった太陽光発電も、2017年の改正FIT法で、認定制度が見直され、新規での設置が難しくなりました。
フェンスの設置やメンテナンス(O&M)の義務化など、新しい認定制度や審査基準の導入によって、事業者はより厳格な要件をクリアする必要があり、安定的で効率的な発電事業が求められるようになったのです。
初期費用は年々安くなっていますが、FIT制度による買取価格は年々低下しているため、利回りも大きくは望めないでしょう。また、2021年4月から出力制御の対象が拡大し、10kw以上の太陽光発電所すべてが出力制御の対象となったため、出力制御による投資リスクがあることも念頭に置く必要があります。
注目されている脱炭素ビジネス「系統用蓄電池事業」
系統用蓄電池事業は天候に左右されない収益性の高い投資
2012年に始まった固定価格買取制度(FIT)は、実質的に終了しており、それに代わって注目されている脱炭素ビジネスが「系統用蓄電池事業」です。
2022年5月の電気事業法改正にて、蓄電池を活用した市場取引が解禁になり、系統用蓄電池を単独で設置するスタンドアローン型(蓄電所)により新たな投資ビジネスが生まれました。
電気は、日本卸電力取引所「JEPX」で取引されており、電気の市場価格は日時によって変動します。
電力需要の低い時間帯に安く電気を購入し、系統用蓄電池に「充電」しておき、電力取引市場の一番高い時間帯に「放電」して売電する、その価格差で利益を得ることができます。
売買のタイミングを見極めれすれば、安定的な利益が見込まれます。利益を最大化するためには、アグリゲーター などに運用代行を依頼し、卸電力市場の動向に合わせて充放電計画を立て、運用するといいでしょう。
系統用蓄電池は、太陽光発電を設置できなかった日陰など悪条件の土地にも置くことができ、設置面積も太陽光発電に比べて少なくていいため、土地の確保が比較的容易という点からも、今後急増していくことが予想されます。
蓄電所の用地に適した土地とは
①2,000㎡以上(=約600坪)の面積
蓄電容量4,000kWh程度の系統用蓄電池を設置する際に必要な面積の目安は、2,000㎡(=約600坪)です。
JEPXのスポット市場では、24時間を30分単位に区切った48コマに分割し、1コマごとに売買が行われており、最低取引単位は1コマ当たり500kWhです。
適切な蓄電容量の蓄電池を適切なコストで選ぶことが系統用蓄電池事業の成否を左右すると言ってもいいでしょう。
②市街化調整区域外
市街化調整区域外で建築確認申請ができること。
地目は基本的に問いません。雑種他、山林、野原、宅地、農地(農地転用可能が条件)など。平地で地盤が安定していると望ましい。
③電力系統または近隣に太陽光発電所があること
系統用蓄電池は、電力系統や再生可能エネルギー発電所などに直接接続します。
特高の場合、500メートル以内に66KVもしくは154KVの連系鉄塔があること。
高圧の場合、30~40メートル以内に電柱があること。
④半径50メートル以内に民家がないこと
パワーコンディショナーからの騒音対策として、近隣(50メートル以内)に民家がないこと。
系統用蓄電池の周囲にはフェンスの設置が義務付けられており、45db以下の騒音対策が必要です。
当社では対策工事も検討いたします。
⑤進入路がある土地
土地の造成や、機器の運搬が必要となります。
2トン近くの重量物を運ぶため大型のトラック、さらにそれを降ろすためのラフタークレーンも必要なため、用地に道路(4m幅以上)が隣接している、あるいは、舗装道路(町道、市道、県道)に隣接していること。
まとめ
- 系統用蓄電池に蓄電・放電することで電力系統を安定化させることができる
- 系統用蓄電池は、再生可能エネルギーの余剰分を蓄電することで系統混雑の解消に繋げることができる
- 系統用蓄電池は、再生可能エネルギーを無駄にせず、脱炭素ビジネスにすることが可能
- 太陽光発電はFIT価格が低下している
- 系統用蓄電池事業は、天候や季節に左右されない
- 系統用蓄電池は、日当たりが関係しないため、太陽光発電が設置できなかった土地にも導入できる可能性がある
ユニバーサルエコロジーでは、系統用蓄電池事業の開発を目指す事業者様の適地選定を全面的にサポートいたします。 法令を含む地理的条件や、権利調査、現地調査を行い、お客様に最適な事業用地をご提案いたします。 また、用地取得のための地権者交渉、法的手続きも対応しております。上記条件に該当しない土地を所有している場合でもご相談ください。
ユニエコ系統用蓄電池事業ビジネスモデルのご紹介。メリットデメリットなどについて解説。
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