関東・自家消費型太陽光発電設備導入マニュアル│日照条件や注意点を説明
このコラムは、関東で自家消費型太陽光発電設備の導入を検討している企業に向けて書いています。関東地方の各県が、太陽光発電に向いているのかどうかを具体的なデータを紹介しながらわかりやすく解説し、補助金なども紹介していきます。ぜひ最後まで読んで、太陽光発電設備導入の参考にしてください。
Contents
関東で太陽光発電設備を導入する際の発電量に関するデータ
ここではまず関東地方の各県の日射量、日照時間、天候、気温についてデータを上げていきましょう。
日射量・日照時間
NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が出している2018年の全天日射量の平均値は、関東は12~13MJ/㎡・dayの地域が多く、全国的に見て日射量は平均的と言えます。
次に1993~2012年までの日照時間の平均値を比較した、全国の市町村の日照時間ランキングを紹介しましょう。まず関東の中では群馬県前橋市が4位と突出しています。それ以外は神奈川県横浜市が18位、茨城県水戸市21位、栃木県宇都宮市23位、千葉県千葉市24位、東京都25位、埼玉県さいたま市26位と全地域が中位にランクインしています。
天候
関東地方では梅雨の時期と秋の長雨、台風の時期に雨量が多くなりますが、全国的には特に雨量が多いというわけではありません。降雪は各県で見られ、特に山間部では積雪の量も増えます。
日本全国の県別の年間降水量ランキングを見ると、神奈川県が14位、東京都が16位、栃木県18位と中間的な県もありますが、千葉県27位、茨城県29位、群馬県34位、埼玉県35位など、どちらかと言えば少ない県もあります。
気温
関東各県の最高、最低気温(月平均)と年間平均気温と47都道府県の中での暖かさの順位を記載します。
|
最高気温 ℃ |
最低気温 ℃ |
年間平均気温 ℃ |
47都道府県中の順位 |
東京都 |
30.8 |
0.9 |
16.6 |
12 |
神奈川県 |
30.6 |
2.3 |
16.2 |
19 |
埼玉県 |
31.5 |
-1.5 |
15.3 |
26 |
千葉県 |
30.5 |
1.9 |
16.3 |
17 |
茨城県 |
29.6 |
-2.2 |
14.2 |
37 |
群馬県 |
31.3 |
-0.8 |
14.9 |
28 |
栃木県 |
30.5 |
-2.7 |
14.2 |
37 |
関東(東京以外)で自家消費型太陽光発電設備導入に関連する代表的な補助金・助成金
ここでは2019年7月時点で関東地方の各地域行政で設定されている補助金を紹介します。ただし東京都に関しては種類が多いため、今回の記事では割愛します。
栃木県小山市:事業用太陽光発電設備設置費補助金
下記の条件を満たせば、太陽電池モジュール合計出力10kWあたりに1万円、上限30万円までの補助金が交付されます。2019年4月1日から2020年3月31日までに連携を開始した設備が対象となります。
・小山市内の土地または建物に設置した全量売電設備であること
・出力10kW以上であること
・2011年に法律化された「電気事業者による再生エネルギー電気の調達に関する特別措置法」で認定される設備であること
・法人または個人で、市税などの滞納が無いこと
・電気事業法の規則に沿って設備を適切に管理できること
・着工する前に協議を行って、補助金を交付される予定通知を受けること
などに加えて他にもいくつかの条件があります。
詳しくは以下を参照してください。
→「事業用太陽光発電設備設置費補助金」
埼玉県行田市:企業立地奨励金
以下の条件にて、出力10kW以上の太陽光発電設備の設置に対して、出力1kWあたりに35万円を乗じて、上限500万円まで交付されます。
・行田市内に事業所の新設、増設、移設を行う企業
・賃借による事業所も対象内
・小売業も対象とする
・市内企業の増設、移設、建て替えも対象とする
・製造業、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、自動車整備業、機械等修理業、コールセンターなどを対象とする
・ショッピングモールなどの商業施設内のテナント出店事業所は対象外とする
・事業開始日から30日以内の申請が必要
などに加えて他にもいくつかの条件があります。
詳しくは以下を参照してください。
埼玉県熊谷市:企業立地奨励金制度
熊谷市に事業所の新設などを行う企業に対して、以下の条件に合致すれば出力10kW以上の太陽光発電設備の設置に対して、出力1kWあたりに35万円を乗じて上限500万円まで交付されます。
・農業、林業、建設業、製造業、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業、医療、福祉、サービス業などを対象とする
・2011年4月1日以降に土地や建物を賃借または取得していること
・製造業については市と公害防止に関する協定を結んでいること
・事業開始日の翌日から30日以内に申請を行うこと
などに加えて他にもいくつかの条件があります。
詳しくは以下を参照してください。
埼玉県戸田市:2019年度環境配慮型システム等設置費補助金制度(個人・事業者用)
以下の条件を満たす企業に対して1kWあたり3万円(施工が市内事業者であれば3.5万円)を上限60万円(施工が市内事業者であれば70万円)まで補助金が交付されます。
・申請期間は2019年4月2日~2020年1月31日まで
・工事着工予定日が2019年4月16日~2020年2月28日までで、実績報告提出期限が2020年2月28日まで
・市税を完納していること
・既設の事業所を所有していてそこに設備を設置するもの、または事業所を新築あるいは取得してそこに設備を設置するもの、または賃貸物件を所有または取得していてそこに設備を設置するもの
などに加えて他にもいくつかの条件があります。
詳しくは以下を参照してください。
→「2019年度環境配慮型システム等設置費補助金制度(個人・事業者用)」
※デザインより:ご指示に「市内事業者の施工という付帯事項があります。注意してください」とありますが、「対象設備と補助額」の表内に施工が市内事業者であれば補助金が高いという記述があるので、施工は市内業者でなくても良いと思われます。ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
千葉県流山市:流山市集合住宅・事業所用太陽光発電設備設置奨励金
この奨励金は太陽光発電設備を設置する奨励金として、市内に建築物を所有、あるいは賃借している事業者に向けて、以下の条件を満たしていれば発電設備1kWあたり2.5万円、上限30万円を交付するものです。
・申し込みは2019年6月3日から2020年3月31日まで
・前年度の市区町村税を滞納していないこと
・流山市内の業者から、未使用の太陽光発電設備を購入、設置すること
・2011年に法律化された「電気事業者による再生エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づいて、電気事業者と発電した電気に関わる特定契約をしていること
・反社会勢力に関わっていないこと
・「流山市住宅用省エネルギー設備設置補助金交付規則」に基づく補助金を受けていないこと
・「流山市企業等立地の促進に関する条例に基づく環境配慮型設備設置費助成金」を受けていないこと
・2019年4月1日から2020年3月31日までに太陽光発電設備を設置完了すること
などに加えて他にもいくつかの条件があります。
詳しくは以下を参照してください。
神奈川県:平成31年度神奈川県蓄電システム導入費補助金
太陽光発電システムと蓄電システムを合わせて導入することを補助する制度です。この補助金は以下の条件で交付されます。
・交付額は補助対象経費の1/3以内で、産業用蓄電システム導入の場合は200万円、導入する蓄電システムの数×25万円のいずれか安い額とする
・第2期の募集は2019年7月2日時点ですでに終了しており、第3期は2019年9月30日から11月29日まで、第4期は2019年12月2日から2020年2月14日まで募集する
などに加えて他にもいくつかの条件があります。
詳しくは以下を参照してください。
神奈川県海老名市:2019年度環境保全対策支援事業(太陽光発電施設・エネファーム・エコカーなど)補助金について
再生可能エネルギーの促進と低炭素社会に向けて、太陽光発電設備1kwにつき2万円、上限20万円を以下の条件に合致した場合補助します。
・新規に設備を購入またはリースして設置すること
・海老名市内の事業所に設備を設置すること
・市税等の未納が無いこと
・2019年4月1日から2020年2月28日までに申し込み、2020年の3月31日までに完了届を提出すること
などに加えて他にもいくつかの条件があります。
詳しくは以下を参照してください。
→「2019年度環境保全対策支援事業(太陽光発電施設・エネファーム・エコカーなど)補助金について」
神奈川県小田原市:小田原市再生可能エネルギー事業奨励金について
この制度は再生エネルギーの利用促進に向けて、条件を満たした事業者に対して、認定された設備の固定資産額相当を毎年1回、計3年度分を奨励金として交付するものです。
・市内で電気を消費するための設備であること
・2020年3月31日までに市内に新たに設置された設備であること
・2021年度までの間に新たに小田原市の償却資産課台帳に登録された設備であること
などに加えて他にもいくつかの条件があります。
詳しくは以下を参照してください。
神奈川県平塚市:平塚市中小企業設備投資促進助成
この助成金は、一定の決まりを満たした5kW以上の太陽光発電設備に対して、発電能力1kWあたり10万円を乗じた額、または税抜きの購入額の1/2のどちらか安い額を限度額100万円として交付します。
・日本標準産業分類で定められた製造業を営む企業であること
・平塚市内に事業所があり、1年以上の操業を行っていること
・中小企業基本法の第2条に規定される中小企業であること
・市税の滞納が無いこと
・市内企業に購入額の1/2以上を発注した設備であること
などに加えて他にもいくつかの条件があります。
詳しくは以下を参照してください。
関東で自家消費型太陽光発電設備導入に関する注意点
この項目では、関東で自家消費型太陽光発電設備を導入する際の注意点を記載します。
補助金・助成金の種類が豊富なため、事前に確認しておく
関東地方では他の地域に比べると助成金や補助金が豊富にありますので、事前にしっかり確認しましょう。補助金の性質によっては重複して受けられないものもありますから、その場合はどちらが有利なのか、などの比較も忘れないようにしましょう。
これらの制度には申込期限がありますし、予算の限度額が決められているので、交付を受けるのであれば早く申し込むに越したことはありません。設備検討と同時に受けられる補助制度も把握しておきましょう。
実際に設置する際は、その県の気候条件を意識したシミュレーションをお願いする
設置に当たっては、地域の日照などの特性を踏まえた詳細のシミュレーションを欠かすことはできませんから、信頼できる業者に検討を依頼しましょう。
適切な検討能力を持つ業者であれば、県という広い」幅ではなく、設置個所のピンポイントの日照条件をベースにした発電シミュレーションを行ってくれるはずです。検討を依頼する際に、アバウトな検討しかできないような業者であれば用心しましょう。
関東での自家消費型太陽光発電設備導入まとめ
関東で自家消費型太陽光発電設備を導入する際の有効性や、補助制度などをまとめました。ここに書かれた内容を参考にして、賢く自家消費型太陽光発電設備を導入してください。
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