北海道・自家消費型太陽光発電設備導入マニュアル│日照条件や注意点を説明
このコラムは、北海道で自家消費型太陽光発電設備の導入を検討している企業に向けたものです。
北海道は他県に比べて雪が多く寒いイメージが強いですが、太陽光発電に必要な日照は確保できるのでしょうか? また、他県とは異なる北海道独特の注意点があるのか、などについても分かりやすく解説していきます。ぜひ最後まで読んで、設備導入の参考にしてください。
Contents
北海道で太陽光発電設備を導入する際の発電量に関するデータ
ここでは北海道で太陽光発電設備を導入する場合の、発電量の元になる日照時間などのデータを具体的に紹介していきます。
日射量・日照時間
北海道は冬の寒さが厳しく、降雪も多いので、太陽光発電には不利なイメージを持っている人が多いことでしょう。しかしそれは実は間違ったイメージです。東京や九州に比べれば降雪が多いのは確かですが、実は北海道は年間で太陽光発電できる電気量では優れた地域と言われています。
気象庁が発表している数値を参照して、北海道内の札幌市、小樽市、函館市に着目したデータを以下に記載します。参考のために東京の値も記載しています。一見すると日照時間は確かに東京より低いですが、驚くほどの差はないことがわかります。さらに平均の日照量では東京よりもわずかですが、札幌が上回っていることが分かります。
|
平均全天日照量 (MJ/㎡) |
年間日照時間 (時間) |
平均気温 (℃) |
年間降水量 (mm) |
札幌市 |
12.1 |
1740.4 |
8.9 |
1106.5 |
小樽市 |
– |
1627.1 |
8.6 |
1232.0 |
函館市 |
– |
1748.0 |
9.1 |
1151.7 |
東京都 |
12.0 |
1876.7 |
15.4 |
1528.8 |
さらに北海道が太陽光発電に向いているのは、年間での平均気温の低さによります。これについては後の「気温」の項目で記載します。
天候
北海道は面積的に非常に大きいので、地域ごとの差が激しい地域ですが、北からの寒気が影響する冬は日本海側では曇天や降雪が多くなり、太平洋側では晴れる日が増えます。オホーツク海側はその中間的な環境と言えます。
北海道の特色として、冬には雪が多いながらも、太平洋側では晴れる日も多くあることが挙げられます。
気温
北海道の気温は、札幌、室蘭、小樽、函館などでは年間平均では8~9度前後の地域もありますが、帯広、釧路、網走、根室、旭川、稚内などの6~7度付近の平均気温の地域も多く見られます。
太陽光発電設備は、夏の暑い時期に多く発電するというイメージを持っている方が多いかもしれませんが、実際には温度が上がりすぎると発電効率が落ちる特性があります。そのため、北海道の気温の低さは太陽光発電にとって悪いものではなく、むしろ真夏に高温になりすぎないメリットがあるのです。
これらを踏まえると、年間の発電量として北海道は決して劣ることは無く、むしろ沖縄などの高温の地域よりも多く発電ができる地域です。
北海道で自家消費型太陽光発電設備導入に関連する補助金・助成金
ここでは、北海道内で自家消費型太陽光発電設備の導入を促進することを目的とした補助金を紹介します。
岩見沢市:太陽光発電システム導入補助金について
岩見沢市では居住も兼ねる店舗や事務所であれば、法人にも自家消費型太陽光発電設備導入時の補助金を出しています。支給額が大きくないので大規模な企業や工場には向きませんが、小規模な法人であれば利用できるでしょう。
工事費用が50万円以上で、設置した設備を申請者が利用することなどの条件があります。期限は令和2年3月31日までに工事完了できるもので、太陽光発電設備の導入費用の10%、最大15万円を補助してくれます。
詳しくは以下を参照してください。
更別村:太陽光発電システム導入補助金
更別村では、住宅を兼ねる店舗や事務所で事業を行う法人向けに、太陽光発電設備導入費を補助しています。事業所用であれば、1kWあたり5万円、限度額50万円まで補助してくれます。金額的に大きいとは言い難いですが、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会が実施している「新エネルギー等事業者支援対策事業」などの補助金と併用できるメリットがあります。
記事では平成22年と記載されていますが、現在は令和2年末日までに受付け、年度内に工事を完了するものを対象としています。
詳しくは以下を参照してください。
北海道で自家消費型太陽光発電設備導入に関する注意点
前の項目で北海道は日照条件や気温などから、太陽光発電の効率は多くの方が持っているイメージより高いことを解説しました。ここでは北海道で自家消費型太陽光発電設備を導入する際の注意点を記載します。
雪によるソーラーパネルの遮蔽や破損に注意する
北海道では降雪によってソーラーパネルが遮蔽されてしまう可能性が有ります。ソーラーパネルは水平面から10度程度の角度を付けて設置することが多いですが、北海道などの雪が多い地域では40度程度の角度で設置します。これによって雪が積もりにくくなり、遮蔽による効率ダウンの可能性を低減できます。
また、ソーラーパネルを乗せる架台も、降雪の無い地域より高くします。これは雪に埋もれるのを防ぐためですが、夏に雑草が地面から繁殖してくるリスクも減らせるという二次的メリットもあります。
これらのことは、実績を持つ設置業者ならしっかり検討してくれますから、業者を選択する際は価格の安さだけでなく、創業年数や設備設置台数が多い業者を選びましょう。
県全体の天候データだけでなく、実際に設置する地域の天候を意識したシミュレーションをお願いする
北海道は非常に広大な面積を持っており、気候条件も日本海側、太平洋側、オホーツク海側で大きく異なります。そのため太陽光発電の効率も地域ごとに大きく変化しますから、発電量や効率のシミュレーションを行う場合は、北海道全体の天候ではなく、設備を設置する地域の日照量などを使って検討を行うよう指示しましょう。
基本的に経験値や設計技能が適切な太陽光発電設備の設置業者なら問題ありません。設置場所のピンポイントシミュレーションをしなかったり、降雪に備えた設置を考えない業者であれば、それをフィルターとして業者の質を判断できるでしょう。
北海道での自家消費型太陽光発電設備導入まとめ
北海道が自家消費型太陽光発電設備を導入することに向いているかどうかを解説してきました。要点をまとめると以下のようになります。
・北海道は降雪があるものの、年間の日照量、日照時間ともに東京などと大きな差はなく、夏の高温による効率低下が起こりにくいことから、自家消費型太陽光発電設備の導入に適した地域です。
・北海道内には独自の企業向けの補助金を出している所もあるので、条件が合えば設備導入のコストを軽減することができます。
・発電量のシミュレーションを業者に依頼する場合は、実際に設置する地域の気象条件を考慮した検討ができる業者であるかを見極めましょう。
北海道で自家消費型太陽光発電設備の導入を検討している企業様は、ぜひ「ユニバーサルエコロジー株式会社」にご相談ください。当社は1996年に創業後、産業用の太陽光発電設備を5000件以上受注設置してきた豊富な実績を持っています。
シミュレーションについては御社付近のピンポイントの日照データを見て発電効率を検討し、ソーラーパネルの設置角度も含めて、効率よく運用できるプランを作成します。
当社は、設計から施工まで全て一貫して自社管理で行い、導入後も適切なメンテナンスを提供することを特徴としています。北海道で自家消費型太陽光発電設備の導入をご検討の際は、ぜひ当社にお任せください。