COLUMN
太陽光発電コラム

2021/08/04

工場に自家消費型太陽光発電を導入する際のポイント│逆潮流の制御と安全性の確保

工場に自家消費型太陽光発電を導入する際のポイント

電力消費が多い工場にこそ自家消費型太陽光発電がおすすめ

太陽光発電は、屋根が広く電力消費の多い工場への設置に適しています。
太陽光パネルの設置数が多ければ多いほど発電量が増えるため、特に屋根が広い工場ではより一層経済的メリットを感じられるでしょう。今回は、工場に自家消費型太陽光発電を設置する際のポイントについて紹介します。

工場に自家消費型太陽光発電を導入するメリット

工場で使用する多くの電気代を節約できる

自家消費型太陽光発電を導入する際の一番のメリットは電気料金の大幅なカットと言えるでしょう。
屋根で発電した分、電力会社から購入する必要がなくなり、電気料金が安くなります。また、高圧・特別高圧の電気料金プランの場合は、基本料金も安くすることができます。

高圧・特別高圧の基本料金は、デマンド料金制度といって、当月を含む直近12ヶ月の最大デマンド値を基準に契約電力が決まります。その契約電力が上がれば基本料金も上がる仕組みのため、最大デマンド値を抑え、契約電力をいかに下げるかが電気代削減にあたって重要なポイントになります。自家消費型で発電した電気を使うことは、電力会社に対する電力需要を減らすことになるため、デマンド値の上昇を防げるのです。

また、太陽光発電と同時に蓄電池を使えば、電力消費の多い時間帯に蓄電池の電気を使うことができるようになるため、購入している電力の最大量「ピーク電力」を削減でき、ピーク電力が削減できれば最大デマンドが下がり、さらに電気の基本料金も安く抑えられるようになるでしょう。

災害時のBCP対策になる

電気使用量の多い工場において、災害発生時の電源の確保は、BCP策定において重点項目です。
「太陽光発電設備」と「蓄電池」を導入することで、BCP対策だけでなく、平時であっても自家消費により電気代削減ができることや、遮熱効果があること、企業の環境価値向上など様々なメリットがあります。

企業価値向上につながる

さまざまな環境問題が問題となっている中、世界的にも CO2削減や脱炭素社会への動きが高まっており、環境への取り組みは、従来のCSRの枠組みを超え、企業価値や収益に直結する時代になってきています。
近年は当然のように環境問題に取り組む企業が多く、企業規模の大小に関わらず、環境問題に積極的に貢献しているかどうか、世の中から判断される時代になっていくことでしょう。

工場に自家消費型太陽光発電を導入する際のポイント「逆潮流対策」

工場における自家消費型太陽光発電の導入の際、ポイントとなるのは「逆潮流対策」です。
逆潮流とは、系統連系している需要家側(工場)で発電した電力が系統へ逆流することを言います。発電した電力を構内で使い切らなければ、余った電力は自動的に送電線から電力会社側へ流れていってしまいます。それを防ぐために逆潮流発生時は、強制的に発電を停止する「RPR(逆電力継電器・Reverse Power Relay)」という機器の設置が必要になります。RPR(逆電力継電器)は、系統連系規定で設置が義務付けられています。
逆潮流が発生すると(発電した電気が構内で使い切れず余る状態)発電が停止するだけでなく、パワーコンディショナーの故障につながる可能性もあります。このような事態が起こらないようにするためにも事前対策が必要です。十分な逆潮流防止策がなされていない場合、毎日のように発電が止まってしまうという事態が起こりえます。

有効な逆潮流対策の方法とは?

パネル設置数を減らし発電量が消費電力を上回らないようにする

逆潮流を防止するための方法のひとつが、太陽光パネルの設置数を減らし、発電した電力はを構内ですべて消費するようにすることです。発電量が消費電力を上回らなければ逆潮流は発生しなくなり、発電が停止する心配は不要になります。
ただし、パネルの枚数を減らすことで発電量が減るため、電気代削減効果は小さくなります。

発電出力の制御装置を設置する

電気代削減効果を最大化したまま、逆潮流を防止するには、発電量を制御するシステムの設置が有効です。
例えば、供給されている電力量をリアルタイムで制御する「負荷追従制御機能」があります。実際の電力消費傾向を基準にして制御するため、発電量を最大限に保つことが可能です。この方法であれば、太陽光パネルを可能な限り多く設置し電気代削減効果を最大化しつつも、使用電力量の増減に合わせて、自動的に太陽光での発電量を抑制し逆潮流の発生を未然に防ぐことができます。

まとめ

POINT
  • 自家消費型太陽光発電は、屋根が広く電力消費の多い工場への設置に適しており、導入することで電気料金の大幅なカットに加え、企業価値向上にも繋がる。
  • 工場に自家消費型太陽光発電を導入する際の課題は「逆潮流の制御と安全性の確保」。
  • 逆潮流による発電停止が起こらないように「RPR」や「発電出力の制御装置」を導入する。

弊社では、太陽光発電を5000件以上も受注・設置してきた実績を持っています。
設備導入の節税効果や、自社のケースに当てはまるのはどの項目か、といったご相談にも営業担当者が丁寧に対応しますので、自家消費型太陽光発電設備の導入を検討の際には、ぜひお問い合わせください。


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