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2022/02/21

オフサイトPPAとは?オンサイトPPAとの違い

コーポレートPPAとは_今後注目のオフサイトPPA


近年、企業や自治体などの法人が発電事業者から再エネ電力を長期に購入する「コーポレートPPA」という仕組みが世界で広がりつつあります。
その中でも「オンサイトPPA」は初期投資ゼロで、設備のメンテナンスなどの手間もなくリスクを抱えずに太陽光発電を使用でき、効率的に再エネ設備を導入できるため、導入する企業が増えています。

 

コーポレートPPAとは?

PPAとは、発電事業者と電力需要家(企業)の間で締結する電力購入契約のことです。コーポレートPPAとは、企業や自治体などの法人が発電事業者から太陽光といった再生可能エネルギーの電力を長期に(通常10~25年)固定価格で購入する契約のことです。

近年、自家消費型太陽光発電や自己託送への需要の増加に伴い、初期投資をかけずに再エネ電力を調達する方法として「PPAモデル」が注目されています。
コーポレートPPAでは、PPA事業者が発電事業者を担うため、発電設備のメンテナンスや発電事業者への計画値の報告など煩雑な作業をPPA事業者に任せられるなどのメリットがあります。

コーポレートPPAの形態

コーポレートPPAは、発電設備の場所や契約方法によって、いくつかの形態に分かれます。コーポレートPPAには、企業が発電事業者と電力を直接取引する「フィジカル PPA」のほかに、卸電力市場を介在させて仮想的に電力を取引する「バーチャル PPA」があり、フィジカルPPAはさらに発電設備の設置場所によって「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」に分けられます。

この中でも現在、日本で主流となっているのは、「オンサイトPPA」と呼ばれるものです。
電力需要家(企業)が発電事業者に建物の屋根などのスペースを提供し、発電事業者が太陽光発電設備の設置と運用・保守を実施、現地(オンサイト)で発電した電力を企業に供給するというもので、初期投資やリスク・運用の負担が少ないことから導入している企業が増えています。太陽光発電設備はPPA事業者の所有物のため、「第三者所有型」とも呼ばれます。

<コーポレートPPAの形態>

コーポレートPPAの種類オフサイトPPAとは
<フィジカルPPAとバーチャルPPAの違い>

オフサイトPPAとフィジカルPPAの違いとは
フィジカルPPAとバーチャルPPA

出典:資源エネルギー庁「再エネ価値取引市場について(2021/11/29 )

オンサイトPPAとオフサイトPPAの違い

オンサイトとオフサイトの主な違いは、太陽光発電設備の設置場所が自社敷地の中か外を指します。
オフサイトPPAは、​​事業拠点から離れた場所にある発電設備から送配電ネットワークを経由して電力の供給を受けるため、送配電ネットワーク料金を支払う必要があります。
社内の敷地面積や建物の構造計算、屋根の形状などによる太陽光パネルの設置制限とらわれず、より大規模な発電設備から発電量を確保できるという特徴から、RE100への参加など再生可能エネルギー100%を目指す企業にとっては今後の活用が注目されています。

オンサイトPPA

企業の屋根や敷地などに発電事業者が太陽光発電設備を無償で設置し、発電した電力を企業に供給する仕組みです。企業は固定価格で電気料金を支払います。
いま日本で主流のPPAモデルとは、この「オンサイトPPA」のことで、初期投資や運用・保守の負担が少なく導入リスクが低いことが魅力から、さまざまな企業が利用しています。

オフサイトPPA

企業の敷地から離れた場所にある太陽光発電設備から、電力会社が保有する送配電ネットワークを利用して企業に電力を供給する仕組みです。電力需要家(企業)に代わって、自己託送に必要な発電設備や土地を発電事業者が購入し、そこで発電した再エネ電力を需要家に提供し、企業は固定価格の電気料金に加えて既存の送配電線を使用するための料金(託送料金)を支払います。
日本では需要家(企業)に電力を販売できるのは小売電気事業者に限定されているため、発電事業者と企業がコーポレートPPA(オンサイトPPAを除く)を結ぶには、小売電気事業者を介在させる必要があります。

オンサイトPPAとオフサイトPPAのメリット・デメリット

<オンサイトPPAのメリット・デメリット>

メリット
  • 初期費用無料で太陽光発電を導入できる
  • メンテナンス・管理の責任が必要ない
  • 非常用電源に活用できる
  • 再エネ賦課金の支払が不要になる
デメリット
  • 電気料金削減効果は低い
  • 契約期間が長い
  • 発電設備の交換や処分ができない
  • 設置場所が限られる

 

<オフサイトPPAのメリット・デメリット>

メリット
  • 初期費用無料で太陽光発電を導入できる
  • メンテナンス・管理の責任が必要ない
  • 屋根がなくても設置可能
  • 社内の敷地面積にとらわれず発電量が確保できる
  • 複数の事業所に送電できる
  • 低圧の発電所を使用できる
デメリット
  • 自家消費型太陽光発電と比べ食べて電気料金削減効果が低い
  • 契約期間が長い
  • 発電設備の交換や処分ができない
  • 非常用電源として活用できない可能性がある
  • 送電コスト、ペナルティ料金の支払いが必要
  • 再エネ賦課金の支払いが必要

今後注目されるオフサイトPPA

前述したとおり、現在日本で主流となっているのは「オンサイトPPA」です。
電力を利用する事業拠点に発電設備を設置できるスペースがあれば、オンサイトPPA は自然エネルギーの電力を、電力会社よりお得な価格で調達する有効な手段になります。
初期投資や運用・保守の負担が少なく導入リスクが低いため、まざまな企業が利用しています。
しかしながら、オンサイトPPAでは、建物の屋根や敷地面積に限りがあるため、発電設備を増やすことは容易ではなく、必要な電力量をまかなえないという問題があります。

そこで、企業の敷地外に発電設備を建設し、大量の電力を供給できる「オフサイトPPA」が求められるようになってきているのです。
オフサイトPPAが注目される理由は、発電設備の「規模」すなわち「供給できる電力量」です。
環境貢献に積極的な企業が加盟を目指す「RE100」では、企業が自らの事業の使用電力を再生可能エネルギー100%で賄うことを推進しています。そのような背景もあって、オフサイトPPAが注目されるようになったのです。

また、2021年11月18日に「電気事業法施行規則」が一部改正され、自己託送がより円滑に導入できるようになりつつあります。
改正前は、他社保有の発電所からの送電は認められておらず、自己託送を行う場合には、「自己託送(自社所有モデル)」のみの選択肢しかありませんでしたが、改正後は他社保有の発電所からの「自己託送(第三者所有モデル)」も可能になりました。

今後、企業で再エネ導入を検討する際には、電気の使用用途を明確にした上で、「初期費用をかけるか」「保守点検は誰が行うか」「電気料金や再エネ賦課金の削減を目的にするか」「RE100達成を目指すのか」「BCP対策に非常用電源の確保が必要か」など、企業の目的や経営課題に合わせて最適な太陽光発電設備を選択していく必要があります。

導入メリットや導入前の失敗事例と注意点、経費削減、他社比較の重点ポイントなど詳しく解説

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