COLUMN
太陽光発電コラム

2019/07/15

自家消費型太陽光発電設備の廃棄について│コストや積立義務などを解説

自家消費型太陽光発電設備の廃棄について│コストや積立義務などを解説」

太陽光発電設備は売電型、自家消費型のどちらの場合も、しっかりメンテナンスを行っていれば、何十年にもわたって使用できる設備です。しかし、物理的設備である以上、いつかは廃棄する時がやってくるのも避けられない事実でもあります。残念なことですが、昨今は会社の倒産などによって廃棄が正しく行われない太陽光発電設備が問題になっています。

 

そこでこのコラムでは、自家消費型太陽光発電設備の廃棄に関する情報をわかりやすく説明していきます。

 

 

自家消費型太陽光発電設備を廃棄するケース・タイミング

ここでは、売電型よりも比較的長く運用される傾向にある自家消費型太陽光発電設備が、どのようなケースで廃棄に至るのかを紹介していきましょう。

災害などの外的要因によるソーラーパネルの破損

太陽光発電設備を廃棄するタイミングとしては、台風や地震などの自然災害、またはアクシデントによっておこった火災などでソーラーパネルの稼働が困難になった場合が考えられます。

 

しかし、火災保険や動産総合保険に入っていれば、修理費用が保険金から出ることもありますので、リスクヘッジとして保険加入は重要な要素です。

 

自家消費型太陽光発電設備の保険については、詳しく書いたコラムがありますので、以下を参照してください。

 

→「太陽光発電 保険」記事はこちら

内部不良などの設備面の故障

設備としての故障や、装置内部の不具合などで稼働が困難になったことで、廃棄に至る太陽光発電設備も存在します。ただし、これについては信頼できる業者によって設置工事やメンテナンスが行われていれば、設備としての寿命が来る前に修理不能な状態にまで至るようなことはほとんどありません。

 

そのため、太陽光発電設備導入やメンテナンスを検討する際は、多数の実績を持つ信頼できる業者に依頼されることをお勧めします。

 

ソーラーパネルを設置している施設の建て替え・撤去

会社や工場設備の移転または建て替えなどで、太陽光発電設備が廃棄される場合もあります。また、設備を保有していた企業の倒産なども廃棄理由のひとつに挙げられます。

 

自家消費型太陽光発電設備の廃棄にかかるコスト

この項目では、自家消費型太陽光発電設備を廃棄する場合にかかるコストや、廃棄する時に考えるべき要素などを説明していきます。

 

ソーラーパネルの廃棄費用

太陽光発電設備の撤去を考える場合、検討を担当される方としては、面積的に大部分を占めるソーラーパネルの撤去費用が気になると思います。具体的な費用はメーカーや型式、設備全体の規模、設置場所によって大きく異なりますが、ここでは参考値として概略の費用を掲載しましょう。

 

まず、廃棄やリサイクルを行っている会社の多くが、ソーラーパネルの発電量1w(ワット)あたり10円という目安を持っています。50kw(キロワット)の自家消費型太陽光発電設備であれば、ワット換算すれば5万wという事になりますから、費用的には50万円程度かかる計算になります。

 

各種設備の撤去費用

自家消費型太陽光発電設備で廃棄するべき要素としては、ソーラーパネル以外にも直流の電気を交流に変換するパワーコンディショナーや、各種設備を設置するための架台、電力の使用状況や発電状況を管理する制御機器、各モジュールの固定部品、各部位をつなぐ電線、発電した電気をためる蓄電池などがあります。

 

運搬費用などの諸経費

ソーラーパネルやパワーコンディショナーを撤去、輸送、廃棄するには、さまざまな設備や機器が必要です。撤去作業ではクレーンなどの重機で機器を吊り上げ、輸送用の車両に乗せなければなりません。また、廃棄施設に移動した後は、分解を行ってから、ガラスやアルミのフレームをリサイクルするために破砕する設備が必要になります。

 

そしてそれらの作業では人件費も発生しますし、高所であれば安全確保のために足場を組む必要もあります。これらを含めたものが諸経費としてあげられます。

 

FIT制度を利用するのであれば、20年後の売電終了後用に撤去処分費用を毎年積み立てる必要がある

太陽光発電設備を導入する時点で、FITを利用した売電収入を目的とする場合、廃棄費用の積み立てを行うことを資源エネルギー庁が2019年度から義務化しています。詳しくは「太陽光発電設備の廃棄対策について」という書類に記載されていますので、参照してください。

 

この書類によると、2018年11月には廃棄費用の積み立ては「努力義務」という扱いでしたが、2019年4月には全面的に義務化されています。

 

なお、FIT制度は自家消費型であっても初期投資の回収を早めるために利用されることがあるため、しっかり確認する必要があります。

 

FIT制度を利用しない場合も、廃棄を見越した積み立てを行うことが大切

FIT制度を全く利用していない場合でも、廃棄費用を積み立てておくことは企業として非常に重要です。このコラムで紹介したように、ソーラーパネルは災害などで予想しない時期に破損する可能性がゼロではないからです。

 

ソーラーパネルはメーカーや商品によって異なりますが、鉛やセレンなどの有害物質が含まれていますから、環境を考えると不法に投棄されることは避けなければなりません。また、ソーラーパネルの大部分を占めるアルミニウムやガラスはリサイクル可能な資源です。企業として社会的な責任を果たすためにも、モラルを順守した処理を行いましょう。

 

自家消費型太陽光発電設備の廃棄まとめ

自家消費型太陽光発電設備の廃棄について、そのタイミングや原因、積み立てを行うべき理由などをまとめました。

 

前述したように、FIT制度を利用した売電型の太陽光発電設備については、導入時から不法投棄を防ぐための積み立てを行うことを、2019年4月に資源エネルギー庁が義務化しています。FITを利用しない自家消費型太陽光発電設備についても、企業が持つ社会的責任を踏まえると廃棄費用の積み立てを行うことをお勧めします。

 

「ユニバーサルエコロジー株式会社」は、太陽光発電設備を5,000件以上も納品してきた実績を持っています。当社は既存の設備に対するメンテナンスも行いますし、新規設置のご相談にももちろん対応致します。

 

「ユニバーサルエコロジーの選ばれる理由」

「ユニバーサルエコロジーの施工実績」

「自家消費型・太陽光発電とは?」

 

廃棄についても適切な費用を含めたシミュレーションを行いますので、太陽光発電設備に関しては何なりとご相談ください。