COLUMN
太陽光発電コラム

2023/09/12

自家消費型太陽光発電に向いている企業・業種とは?

自家消費型太陽光発電に向いている企業・業種とは

自家消費型太陽光導入に向いている企業・業種の特徴

太陽光発電システムは、エネルギー源が太陽光であるため、基本的には設置する地域に制限がなく、屋根・駐車場などの空きスペースに設置でき、導入しやすいことから、電気代高騰対策や再エネ導入を検討している企業から注目を浴びています。
その中でも、自家消費型太陽光発電システムと相性がいい企業・業種があります。

自家消費型太陽光発電に向いているかどうかの判断材料

自家消費型太陽光発電システムに向いているかどうかの判断材料は以下の4つです。
太陽光発電システムは、太陽光を電気に変換して発電するという特性上、太陽光パネルに対し太陽光が直角にあたるように設置できれば最も効率的に発電します。また、日中に発電した電力を効率的に消費できるかが重要です。

  1. ① 太陽光パネル設置スペースの有無
  2. ② 建物の状態・屋根の形状
  3. ③ 稼働日と電気の使用状況(消費電力)

自家消費型太陽光発電に向く企業の特徴

① 太陽光パネル設置スペースの有無

自家消費型太陽光発電システムでは、建物の屋根上に太陽光パネルを設置するのが一般的です。そのため、屋根上に十分なスペースがあるかどうかが、導入の相性に大きく関わってきます。
太陽光パネルの設置数が多ければ多いほど発電量が増えるため、特に屋根が広い工場では、システムの効果を最大限に引き出すことが可能なため、より一層経済的メリットを感じられるでしょう。
ただし、屋根面積が大きくても、屋根の耐荷重を超えて太陽光パネルを設置してしまうと、建物の耐震強度に影響を及ぼす可能性があるため、事前に建物の構造計算を行ないます。
建物の構造計算上、設置が難しい場合や、屋根上に太陽光パネルを設置する十分な面積がない場合でも、駐車スペースなどを活用し、ソーラーカーポートとして太陽光パネルを設置する方法があります。

② 太陽光パネル設置に向いた屋根を所有している

屋根上に太陽光パネルを設置する場合、屋根の面積以外にも、屋根の形状や方角によって、発電量が大きく変わります。 最も最適な方角は南向きで「方角南向き・傾斜角度30度」の屋根がもっとも発電効率がいいと言われています。
屋根の形状では、「折板屋根や陸屋根」が向いていると言えるでしょう。
工場・倉庫をはじめとする「ハゼ式折板屋根」は、耐久性と耐候性があり、その強度から長期的な太陽光パネルの設置に適しています。また、屋根に穴を開けることなく施工することができます。
事業所やビルをはじめとする「陸屋根」は、傾斜をつけるために太陽光パネルを架台の上に設置します。 架台の上に設置することで南向きにできるため、屋根の方角を気にする必要がありません。また、傾斜がないため工事がしやすく、足場が不要になるため、メンテナンス費用が安くなる傾向があります。 ただし、陸屋根への設置には架台が多く必要となるため、傾斜がある屋根に比べると、若干費用が高くなります。 また、屋根の材質によって施工方法が異なるため、設置やメンテナンスにかかるコストや施工期間も変わってきます。、アンカー工法で太陽光パネルを設置する場合には、屋根に穴を開けるため、高度な防水加工が必要になります。
自家消費型太陽光発電では、屋根に合わせた最適な太陽光パネルの設置方法を採用することが重要です。

ハゼ式折板屋根
ハゼ式折板屋根_自家消費型太陽光発電
折板屋根
陸屋根_自家消費型太陽光発電

③ 稼働日が多く、昼間に消費する電力量が多い

自家消費型太陽光発電システムと相性の良い企業は、昼間に電気を多く消費する企業です。
太陽光発電の性質上、昼間に発電が行われるため、日中に発電したエネルギーを日中に消費できる企業が効率的にシステムを活用できます。
例えば、冷蔵冷凍設備があるスーパーマーケットや工場土日・祝日も営業している商業施設や小売店舗などは、定常的に電気使用量が多く、昼間に電気消費量がピークを達するという点から、自家消費型太陽光発電システムに適していると言えます。
その他、電気使用量の多い企業は、発電した電気を無駄にせず利用できるため、発電した電気が余らないという点でも相性が良いといえます。
発電した電気を余すことなく、使い切れるかどうかは、自家消費型太陽光発電を設置する上で重要なポイントです。
発電する電力より自ら消費する電力のほうが多い場合には、逆潮流対策が不可欠です。
余剰売電型の太陽光光発電を設置した場合は、余った分を逆潮流で電力会社に流します。 逆潮流するためには、系統に空き容量があることと、負担金の支払いが必要になります。

使用電力量と太陽光発電量

自家消費型太陽光発電に向かない企業とは!?

  1. ① 太陽光パネル設置に不向きの屋根・屋根の状態が悪い
  2. ② 稼働日が少ない(土日祝日休みなど)
  3. ③ 夜間に使う電力の割合が多い 

①太陽光パネル設置に不向きの屋根

太陽光パネルを設置しにくい屋根があります。
外断熱屋根・耐火屋根・トタン屋根など、性能や強度に影響を及ぼす屋根材は、太陽光パネルの取り付けは困難と言われるものがあります。また、屋根の老朽化によって屋根面の状態が悪い場合も、安全な長期運用が見込めないため、不向きと言えるでしょう。

② 稼働日が少ない(土日祝日休みなど)

太陽光発電システムは、曜日や休日に関係なく、毎日発電します。
そのため、自家消費型太陽光発電を導入する場合、休日の余剰電力をどのようにするのかが問題です。
土日祝日や年末年始などの長期休みがある場合、発電した電力は消費されることなく、捨てることになるからです。無駄にならないようにするためには、FITの余剰売電制度を用いて余剰分を電力会社に買い取ってもらうか、蓄電池を同時設置し、余剰分を蓄えるかいずれかになります。蓄電池を設置すれば1週間程度の非常用電源を確保できるため、災害時のBCP対策にもなります。
自家消費型太陽光発電では、稼働日と消費電力とコストの観点から、最適な設計が求められます。

③ 夜間に使う電力の割合が多い 

太陽光システムは日中しか発電しません。
したがって、夜間の使用電力量が多い企業では、発電した電力を効率的に消費できません。
夜間だけでなく、日中の消費電力も大きく、発電した電力を使いきれるのであれば問題はありませんが、消費電力の大部分が日中である企業の方がが効果的です。
夜間の使用電力量も多い場合は、蓄電池を設置するとよいでしょう。

まとめ:自家消費型太陽光発電に向く企業の特徴

太陽光パネルの施工・設置方法は、屋根の形状や屋根材によって異なり、発電効率やコスト面から最適な工法を選択する技術が求められます。
建物に最適な自家消費型太陽光発電を選ぶためには、発電シミュレーションが重要です。
シミュレーションには「屋根伏図」「30分値デマンドデータ」「電気料金明細書」が必要で、まずは、建物の「屋根伏図」から屋根の面積や耐荷重の観点で、太陽光パネルをどの程度載せられるのか検討します。
その後、「30分値デマンドデータ」「電気料金明細書」をもとに、発電した電力を最大限に活かす方法を検討します。
1年分の30分デマンドデータがあれば、電力を使っていない日や休日の待機電力が分かるため、完全自家消費型ならこれくらいの容量で設計、余剰売電型ならどれくらいの売電収益になるなど、費用対効果も分析しながら、発電ロスが発生しないよう、お客様の使用電力量と発電量に合ったシステムの設計が可能になるのです。
発電シミュレーションで肝になるのは、1年分のデマンドデータです。

自家消費型太陽光発電に向いている業種

 

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